フェブラリーステークスの見どころ

2月23日（日）に東京競馬場で行われるフェブラリーステークス（G1）は、国内ダート路線の最高峰を決める重要な一戦。昨年までこのレースを牽引してきた名馬が引退し、新たな“砂の王者”を巡る争いはさらに注目度を高めている。5歳世代同士の対決も焦点のひとつで、特に「コスタノヴァ」と「エンペラーワケア」の再戦はレースを左右するポイントとなりそうだ。

有力馬の分析

コスタノヴァ

5歳世代を代表する一頭。昨年後半のダートグレード戦では、力強い末脚を武器に勝ちきる場面こそ少なかったものの、常に上位争いに食い込んでいる。有力馬との対戦経験が豊富で、上位走を安定して繰り返している点は評価に値する。前走で見せたスタートから主張する形ではなく、やや控えてラストで脚を伸ばす戦法がハマったのは好感触。東京のダート1600mは直線が長く、瞬発力勝負になりやすいだけに、脚質的にはまさに向いているといえる。

エンペラーワケア

コスタノヴァと同じく5歳世代の中核馬。長めの距離から徐々に適性を探り、昨年秋からはマイル戦に照準を合わせている。推進力のあるストライドでダートを捉える走りは迫力がある一方、展開の助けを得られないと末脚が不発に終わることもある。直線の長い東京コースへ替わること自体は歓迎材料だが、道中で折り合いを欠いたり、ペースが落ち着きすぎたりすると末脚を存分に発揮できないリスクもある。逆に言えば自分から動き出して後続を振り切るレースメイクができれば、この馬の持ち味が最大限に生きるだろう。

その他の上位候補

フェブラリーステークスはハイレベルなメンバーが集結しやすいことでも知られている。引退したレモンポップのような圧倒的存在は不在だが、上記の5歳勢以外にも軽快な先行力が武器の実力馬や、一発の破壊力を秘めた差し馬の出走が見込まれている。すでにオープンクラスで好走実績のある古馬から、勢いある若馬まで多彩な顔ぶれがそろうため、展開次第で番狂わせが起こりやすいのも今年の特徴といえる。

AI視点：注目の一頭

多くのレースデータや過去対戦成績、血統背景などを総合的に分析すると、AIはコスタノヴァの安定した上位進出力を高く評価している。直線の長いコースで末脚勝負となりやすい東京マイル戦では複数回の好走歴があり、近走では自分の脚を温存しつつ要所で動くレース運びも板についてきた。中間調教の動きを見る限り、仕上がりは申し分ないと推測でき、鞍上との呼吸も合えば、さらなる上積みが見込めるだろう。

一方で、スピードの持続力と底力を兼ね備えているエンペラーワケアには、早め先頭から押し切る競馬で逆転の可能性が十分ある。もし平均ペースより早い流れになれば、前で競馬をする馬には厳しい展開になるが、東京コースで極端なスローペースになるケースは比較的少ない。先行力を持つエンペラーワケアがスピードを活かしつつ後ろを突き放すレースプランも考えられるため、AIがコスタノヴァを高評価しているからといって、エンペラーワケアを軽視するのは危険だ。

まとめ

今年のフェブラリーステークスは、有力馬がそれぞれ明確な武器を持ち、展開によって結果が左右される見応えある一戦となりそうだ。レース全体の流れや馬場コンディション、各陣営の仕上がり度合いなど、細かい要素が勝敗を決するといっても過言ではない。AIの分析ではコスタノヴァがもっとも安定したレース運びを見せると判断しているが、エンペラーワケアなどライバルたちも一発逆転の力を十分に秘めている。新たな砂の王者が誕生する決定的瞬間を見逃さないよう、レース当日は各馬のパドックや返し馬の様子からコンディションをしっかり見極めることが大切だ。