【AI視点】2月23日 フェブラリーステークス(G1) 総合展望

2025年シーズン前半を象徴する大一番として、砂の頂点を争うフェブラリーステークス(G1)が2月23日に東京競馬場ダート1600mで行われる。今年は前年度の主役だったレモンポップが引退し、新たな砂王決定戦として大いに注目を集めている。昨年の上位馬を含め、骨のある馬たちが集結した今大会を、AI視点の分析を交えて検討していく。

1. 注目ポイント

1-1. ハイレベルな5歳世代の攻防

今年のフェブラリーステークスは、5歳世代の3頭が大きな存在感を放っている。まず、昨年G1戦線で結果を残し、ダート巧者として評価の高い「コスタノヴァ」。そして、同世代ながら東京ダート1600mに抜群の適性を示してきた「エンペラーワケア」。さらに、地方転厩から一気に頭角を現しつつある伏兵候補……と、多彩な実績馬がそろっている。特にコスタノヴァ対エンペラーワケアの再戦はファンの期待値が高く、この2頭の着順如何によっては、新時代の勢力図が大きく変わる可能性もある。

1-2. 未知数の実力馬が参戦

5歳馬たちに負けじと、6歳以上の古豪や3・4歳世代の新星も参戦し、近年まれに見る混戦ムードとなった。たとえばレースセンスに優れ、前走の根岸ステークスで上がり最速を叩き出しながら、ギリギリ権利を得た「サプライズジョーカー」。また、地方重賞を勝ち上がってきた「マインペガサス」など、データやパフォーマンス的には侮れない馬が多い。こうした一線級には届いていないように見える馬たちが台頭するケースもあり、予想の難易度は高い。

2. 有力馬の動向

2-1. 1番人気想定 ミッキーファイト

現在の予想オッズでは「ミッキーファイト」が1番人気に推されている。7枠14番を引いた点については、東京ダート1600mとしては好枠と言えるだろう。これまで外枠でスタートセンスを活かし、スムーズに先手を取りつつ直線でも粘り込むタイプだけに、展開次第では十分に勝ち切るポテンシャルを持つ。昨年のチャンピオンズカップで2着という実績があり、G1の舞台で通用する下地が整っている点も見逃せない。

2-2. 1枠に入った エンペラーワケア

フェブラリーステークス当日に1枠1番が吉と出るか凶と出るかは、馬場状態やペースによって変化するが、東京ダート1600mでは不利とされやすい枠の一つでもある。特にエンペラーワケアは、外へ持ち出してのびのびと走るスタイルを好むため、包まれて直線で伸びあぐねるリスクはある。それでも、前走の根岸ステークスでは最内から一気に先団へ取り付き、直線で鋭い脚を使っており、不安定要素と隣り合わせだが一発の魅力が大きい。

2-3. 対抗馬 コスタノヴァの脚質

5歳世代のなかでも総合力が高いと言われるコスタノヴァは、芝スタートでもスムーズに位置を取り、後半の脚をしっかり残すレースプランが理想。近走では脚質に幅が出てきており、先行策からの押し切りはもちろん、中団からでも差し込める器用さを身につけている。スタミナに加え、トップスピードへの到達が速い馬なので、内枠の馬がもたつけば外から一気に捲り上げ、直線で突き放すシーンも十分あり得るだろう。

3. AIが注目する攻防ポイント

3-1. スタートからのペース予測

東京ダート1600mはスタート直後から芝コースを走るため、ダート巧者でも行き脚が鈍るケースがある。AIの展開シミュレーションでは、スタートでダッシュ力のある馬が外から積極的にハナを取りに行くと予想。ペースが速まれば差し馬が台頭しやすいが、前に行く馬がスンナリで逃げ体勢を確立すれば追い込み勢の仕掛けどころが難しくなる。内で包まれづらい外枠馬の方が展開利を得やすいとの指標が出ている。

3-2. コンディションと騎手の思惑

フェブラリーステークスは、馬自身の調整や当日の馬場コンディション、騎手の裁量も大きく結果に影響する。調教タイムや近走の疲労度を照らし合わせたAI評価では、直近のレースから中2週以内で使われている馬のパフォーマンスが落ちやすい傾向が出ているようだ。一方、国内外を含めて騎乗数の多い実績ジョッキーはダートでの位置取りの巧拙がはっきり出るため、馬込みを苦にしない騎手を重視して予想を組み立てたい。

4. AIの総合評価まとめ

複数のシミュレーション結果を踏まえると、外枠を引いたミッキーファイトが順当に最上位評価を受けつつも、コスタノヴァとエンペラーワケアの逆転要素は十分にある。先行勢が共倒れになるなら、中団付近からロスなく立ち回る中枠馬にもチャンスが巡ってきそうだ。展開が高速化すれば、直線で外を回してでも末脚を生かせる馬が浮上するシナリオも想定できる。騎手の力量や午前中のレースでの傾向を確認しながら、最終的な買い目を調整するのが賢明だろう。

5. まとめ

本年のフェブラリーステークスは最有力とされるミッキーファイトが引っ張る形が濃厚だが、5歳世代同士の再戦が見どころであり、スタート直後の芝コースから終盤の直線攻防まで目が離せない。レース当日は馬場状態とペースの兼ね合いが重要で、1枠を引いたエンペラーワケアの走りにも注目が集まる。混戦模様の一戦だけに、高配当を狙うファンにも魅力的な条件がそろっていると言える。総合的にはミッキーファイトの安定感に一日の長があるが、展開次第でコスタノヴァや差し勢が台頭する余地は十分。ぜひレース前の馬体や気配チェックを徹底し、直前情報をしっかり押さえたうえで勝負に挑んでほしい。