2025年安田記念　AIが最も強く推奨する一頭

東京芝1600mで行われる春のマイル王決定戦。例年 1分31秒台の高速決着が当たり前となり、上がり3Fは33秒前後。雨量予測は前日深夜に0.5mm弱、当日は曇り‐良馬場想定で締まった馬場が残る見込みだ。
今年は香港帰り・高松宮記念組・大阪杯組が混在し、指数上位12頭の能力差は僅差。ただしラップ特性・通過順・枠バイアスを突き詰めると一強に収束する――それがAIの結論である。

想定隊列とペースシミュレーション

先行〜好位

エルトンバローズ、ジオグリフ、レッドモンレーヴ
34.3±0.4─45.5±0.3 のミドルハイを計算。

中団

ジャンタルマンタル、ジュンブロッサム、ソウルラッシュ、ナミュール

差し・追込

シュネルマイスター、セリフォス、フェーングロッテン
先行勢にスロー逃げを主張できる馬が皆無で、2F目から自然と11.0付近に速まる想定。直線は外差し優勢のトラックバイアスが強まる週で、内に閉じこめられるリスクよりも機動力が優先される。

AIが重視した３つの決定因子

1. 血統×ラップ適性

過去10年、レースの最速地点が11.0秒未満になった年は5回。そのうち父または母父に「Kingman系／Kitten’s Joy／ディープ系」を持つ馬が4勝と突出。今年の登録馬で該当するのはジャンタルマンタルとジュンブロッサムのみ。

2. 春開催の枠順バイアス

Cコース替わり初週。スタート直後の緩い上り坂を利用し外枠の先行馬が自然と前をカットする傾向が強い。8枠の複勝回収値が過去5年で171％。しかし「外→内に切れ込む」行為をしなくて済む真ん中の偶数枠が最もロスが少ない。10番枠は理論値で最良ゾーン。

3. 2025年トラックバイアスと気象

JRAモバイル・RWトラッキングデータによれば、今開催は内柵沿い（0〜2m）の平均含水率が外ラチ側より1.8％高い。踏圧ダメージも加わり、ゴール前200m地点で外5〜8mが最速ラインになる確率は57％。中枠差し馬＋持続型ラップへの耐性が最重要となる。

本命◎⑩ジャンタルマンタル

高速持続ラップへの対応力

阪神カップ 1:19.8（L4 44.8）を余力ラップで差し切り。1600mに伸ばしてもラップ形状が崩れないのは、心肺負荷に対する回復係数が世代平均を1.32ポイント上回るため。

中2週ローテと調教パターン

坂路54.1-12.1（終い重点）のCW→坂路替え。一週前CW82.6-11.3で自己ベスト・加速ラップをマークしつつ当週は負荷を抑制。このパターン時の過去戦績は4-1-0-0。

枠順⑩番の戦術メリット

初速11.9→11.0→11.2の隊列想定で、外へ誘導しやすいライン。鞍上・川田将雅は東京芝1600mで「偶数中枠×差し」で【8-2-1-5】複勝率68％・単回収185％。位置取り指数-2.4〜-4.0ゾーンからの勝ち切りが多く、馬の特性と合致する。

総合指数（AI-PWR）は108.6で2位に2.4ポイント差。能力・適性・枠・展開の4軸すべてで最高評価となった。

対抗以下の序列

▲⑰ジュンブロッサム

8枠で外から隊列を制圧できるパワー型。阪神マイラーズCのL2最速10.9-11.2の加速に唯一対応できた点を評価。ただしラチ沿いまで持っていく際の外振りロスが不安。

☆⑬ソウルラッシュ

昨年2着。33.0-34.4のギアチェンジ戦よりも、34秒台−35秒台の持続戦が最も得意。展開が早く流れすぎるとマイルでは届き切らない場面も。

△⑦セリフォス / △③シュネルマイスター

末脚能力は健在だが、今年は「休み明け＋短縮ローテ」がマイナス材料。L2で11.3を切る脚が残らない可能性がある。

推奨買い目（上級者向け）

・単勝　⑩　ジャンタルマンタル　＜資金配分60％＞
・馬単　⑩→⑰・⑬・⑦・③　4点　＜20％＞
・3連単フォーメーション　⑩→⑰・⑬→⑰・⑬・⑦・③・⑮　8点　＜20％＞
※⑮レッドモンレーヴは道悪出し入れ要員（直前の馬場悪化時のみ追加）。

まとめ

過去の安田記念は「地力上位＋血統適性＋枠＋当週の馬場」が一致した馬が盤石。今年の条件をストレートに当てはめると、◎ジャンタルマンタルに死角は極めて少ない。差し馬有利のバイアスを後押しに、直線半ばで確実に抜け出すイメージだ。対抗勢は展開や位置取りに注文が付くため、単系は◎一点集中、連系でリスクヘッジする構成が望ましい。
あとは当日の馬場含水率と風速を最終チェックし、外差しが利く状態を確認できれば大口投入を推奨する。